PICK UP / ご当地パン

宮崎名物 じゃりパン
昭和30年、宮崎で生まれた“ジャリッ”と幸せな音
「じゃりパン」は、昭和30年頃に宮崎市の老舗パン屋ミカエル堂で誕生しました。
ミカエル堂は、昭和2年(1927年)創業――もうすぐ100年を迎える老舗です。
まだ洋菓子が珍しかった時代。
「子どもでもおやつに食べられるパンを」と考えた店主が、ふわふわのコッペパンにバタークリームとグラニュー糖を挟んで販売したのがはじまりでした。
食べた学生たちが「じゃりじゃりする!」と笑ったことから、“じゃりパン”という名が誕生。
宮崎では学校給食や購買部でも人気となり、世代を超えて愛される“青春の味”になりました。

家庭の中にもあった、あの「じゃりじゃり」
食パンにマーガリンを塗って砂糖をふって食べた――
そんな記憶、ありませんか?
子どものころ、自分で食パンに砂糖をかけて食べたり、
お母さんやお父さんがそうしていたのを見た、という人も多いはずです。
実は「じゃりパン」が全国で受け入れられた理由のひとつが、
この“懐かしい家庭の味”だったのかもしれません。
パンと砂糖とマーガリン。
それだけの組み合わせなのに、あの頃の温かい時間がよみがえる。
「特別じゃないのに特別な味」――それが、じゃりパンの魅力です。

全国を席巻――セブンイレブンで広がった「宮崎の味」
宮崎で長く愛されたじゃりパンが全国デビューを果たしたのは、2022年3月15日。
セブンイレブンで初めて「宮崎名物」の冠をつけて全国で発売しました。
その後、2024年9月・2025年9月にも再登場し、全国定番化。
特に関東エリアでは、発売から3か月間で購入ユーザー数全国2位・購入個数全国3位を記録しました。
“宮崎の味”が、どの地域でも懐かしさを呼び起こした――
まさに、世代も土地も超えて共感されたパンなのです。
ミカエル堂、閉店からの奇跡の復活
一方、長年愛された元祖じゃりパンの生みの親ミカエル堂は、2023年3月に一度その歴史に幕を下ろします。
しかし「この味を未来に残したい」という想いが、再び灯りました。
高校時代にじゃりパンを食べて育った女性が、クラウドファンディングを通して復活を実現。
屋号とレシピを受け継ぎ、閉店からわずか1年半―2024年11月、―まさに奇跡の復活です。
その背景には、県民の「またあの味を食べたい」という声がありました。
それほどまでに人々に求められ、愛されてきたパン。
だからこそ、今では全国でも自然と受け入れられたのでしょう。
宮崎で生まれ、世代を越えて愛され続ける「じゃりパン」。
その“じゃり感”は、これからもたくさんの人の心に、
あたたかな懐かしさを届けて行くことでしょう。








